
| 楽園に暮らす 冬ごもり 58.猿談義 2003・12・4 |
| サル談義 僕の木の実の”御宝”の中には、"サル"グッツが2つある。 1つは、ヤシの実を彫った貯金箱で、出口がないから、入れたら 入れっぱなしで、貯金はできても使えないものである。(写真1) もう1つはアンズの種に顔を描いたペンダントで、『見ざる・ 聞かざる・言わざる』の三猿を暗示しているらしい。(写真2) どちらもユーモアあふれるひょうきんな顔が気に入っている。 この楽園に初めてサルを見たときも、「わーサルだ。 かわいーい。」と叫んだものだ。その意識が変わるのに、 多くの時を経ることはなかった。 地中のユリをどうみつけるのか、根こそぎ食べていく。 サツマイモを植えても、ネズミのしっぽ大で、もう掘り取って 食ってしまう。トウモロコシなぞ、うまい所しか食わない。 食ったら食いっぱなしのところはサルの貯金箱みたいだ。 サルを何とかしない限り、方法はないのだ。 こうして、僕には『サルもの日々にうとまし』となっていったのだ。 今年もサルの被害に泣いた農家の人は多い。 いろいろ対策をとってはいるが、サルも年々賢くなっていくという。 確かに、”反省する次郎”や”日光サル軍団”など芸を身につける サルもいるのだから賢いには違いない。 猿蟹合戦では、ずる賢い代表として登場してくるくらいだ。 が、僕に言わせれば、サルはもっともっと賢くなるべきだ。 人間がやる気を残すくらいの収穫を残して欲しいのだ。 サツマイモにしろ、トウモロコシにしても、少しでも口にすることが 出来れば、サル代官様に吸い取られても、しかたなく 来年も植えようというものだ。サル代官様は『百姓は生かさず 殺さず』という家康の言葉を学んで欲しいのである。 できれば、ペンダントのような『見ざる、聞かざる、言わざる』 なんていう悟りきったサルを期待したいところだ。 サルは生まれながらに運動神経はいいと思っていた。 猿飛佐助の名のごとく、サルは飛んで移動する。風もないのに 林が波のようにゆれるときは、サルが集団で移動している。 ところが、途中でバサッ、ドサッと音がするときがある。 コザルが落ちたのである。『サルも木から落ちる』というが、 コザルではそれほど珍しいことではないように思う。名人といえども 反復練習して、飛ぶことを身につけていくのかもしれない。 この点では、たとえサルからでも謙虚に学びたいと思う。 さて、楽園にはサルと名の付く樹木がいくつかある。 一つはサルスベリ。(写真3) サルもすべるからというのが名の由来。もちろん、この樹でサルが 滑ったのを見たこともなければ、登ったのすら見たことはない。 が、サルたちがこの樹を滑り台にして遊んでいるのを 想像するのは楽しい。 もう1つは、サルナシである。(写真4) これもサルが好んで食べるからだといわれている。しかし、味も 中身も、丁度キュウイフルーツを小さくしたような果実だから、 サルでなくても好んで食べる。実際、人間は誰もがうまいとうなづく。 熟す前に蔓ごと取って、追熟させて食べる連中もいるというから、 サルもびっくりである。 最後はサルトリイバラ(猿捕棘)である。(写真5) 確かに、この蔓のトゲは痛いが、これに捕らわれるサルはいない。 横道にそれるが、この樹は別名を”山帰来(サンキライ)”という。漢詩 「帰去来」の響きに似て、何かいわれがあると僕は期待してしまった。 ところが、「山に行き、この薬草で梅毒をなおして、帰って来る。」 という意味だと知って、ひどく落胆したものだ。 この茨にサルが本当に捕らわれるようであれば、”山帰来”も 「サルも困って山に帰って来る」という違った意味になって、 僕などはさぞかし愉快になれたことと思う。 いずれにしても、サルとつく樹が、とりわけサルの本質に関係ある とは思えないが、サルが身近で親しみのもてる存在であって、 人間にとって少なくとも憎むべき存在ではないことを示していると思う。 桃太郎のお供にだって、サルもついてきたではないか。 最近、人間が『嫌猿の仲』となったのは、 やはり、人間の側に原因があるようだ。 さすがに、12月になると、サルも姿を見せなくなる。 畑に何もなくなって、山に帰っていくのだろうか。 ともあれ、サルは去った。もちろん、『サルものは追わず』である。 であるが、追う追わずにかかわらず来年には”サル年”がやってくる。 |
![]() (写1) 貯めても使えない貯金箱 ![]() (写2) どこか滑稽な三ザル (写3) サルも滑る位滑らかな樹皮 (写4) これは美味いぞ、お試しあれ。 (写5) 餅をこの葉で包んだ御菓子がある。 |
| 初めて電気を引いたとき、通り道の木を整理していく”伐採隊”なるものがやってきた。 その手さばき、見事な連係プレーといったら、とても人間並みの技とは思えないものだった。 休憩のとき、「旦那さん、こんな山奥じゃ、訪ねてくるものはおらんじゃろ?」と聞かれ、 「いや、サルが時々来ますよ。」と答えたら、隊長さんは一瞬ギョッとして、「旦那さん、気をつけなよ。 そのうち、旦那さんが外から帰ってきたら、サルの家族がコタツを取り囲んで、『お帰んなさい』って、出迎える かもしんねーよ。」 すると、皆が一斉に僕のほうを見て、サルのようないたずらっぽい目をして大笑いをした。 一緒に大笑いをしてしまった僕だったが、思い出すたびに、ゾ〜ッとするのだ。 あの伐採隊は実は”サルの人まね”ではなかったのか、と。そして最近では、玄関のドアを開けるたびに、 連中がコタツに座っていそうな気がして、中を窺(うかが)ってしまうのである。 H15・12・4 |
| 書き終わってやれやれと思っているところへ、サル軍団が戻ってきて、勝手知ったる倉庫の 残ったカボチャを食い荒らした挙句、物干しの上で飛び跳ねて、滅茶苦茶に壊していった。 オイラの気持ち、わかるかな?わかんねーだろうな。 H15・12・5 |
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